80歳で20本以上の歯を残すために②-2
連載②-2:自宅でできる予防法(歯磨き粉・歯ブラシの持ち方・ブラッシングについて)
前回に引き続き、今回も「自宅でできる予防法」についてです。
まずは、虫歯を予防するための歯磨き粉の選び方からご紹介します。
虫歯を予防するための歯磨き粉の選び方
虫歯を予防するための歯磨き粉選びのポイントは以下の通りです。
- フッ素の濃度が950ppm以上
フッ素には、「酸の量を抑制」・「再石灰化の促進」・「歯質強化」などの働きがあり、虫歯予防には必要不可欠と言っても過言ではありません。
なるべくフッ素の濃度が高い歯磨き粉を選びましょう(国内の販売では1000ppm以下とされています)。 - 発泡剤が入っていない
発泡剤がたくさん含まれている歯磨き粉は、お口の中が泡でいっぱいになりやすいため歯磨きがしにくくします。また、泡立つことによってブラッシングに対する満足感が得られるため、磨き残しが多くなってしまうといったこともよくあります。 - 研磨剤が少ない
研磨剤は、歯の表面についた着色を落としてくれる効果があります。しかし、あまりたくさん入っていると歯の表面を傷つけ、着色しやすい歯になってしまいます。
歯ブラシの持ち方
歯ブラシの持ち方は、基本的なものが2種類あります。
- 力が入り過ぎてしまう方には「ペングリップ」
「すぐに歯ブラシの毛先が開いてしまう」、「歯磨きに力が入りすぎている」と言われるという方には「ペングリップ」がおすすめです。余計な力が入らず、小刻みに動かしやすいので、すみずみまでていねいに磨くことができます。 - 小さなお子様におすすめな「パームグリップ」
パームグリップは力が入りやすいのがメリットです。
まだ、自分で歯磨きをすることに慣れていない小さなお子様にはペングリップより歯ブラシを動かしやすいのでパームグリップが適しています。
効果的なブラッシングの方法
ブラッシングの方法には、さまざまな方法があります。
虫歯予防に効果があるとされているもの、歯周病に効果があるとされているものなど方法は目的によって使い分けると効果的です。
今回は代表的な2つを紹介します。
- スクラビング法
「スクラビング法」とは歯の表面の汚れを落とすために効果的な方法です。
歯ブラシの毛先を歯の面に対し直角に当てて小刻みに横に振動させながら歯を1本ずつ磨きます。
「スクラビング法」は、虫歯になりやすい歯と歯の間はもちろん、歯と歯ぐきの境目や奥歯の溝もキレイに磨けてムシ歯の予防ができます。舌側を磨く時はなるべく45度くらいの角度で歯の面に当てるようしましょう。 - バス法
「バス法」とはプラーク(歯垢)の溜まりやすい、歯と歯ぐきの境目を積極的に磨く方法で、歯周病予防に効果があると言われてます。
歯と歯ぐきの間に45度くらいの角度で歯ブラシを当て、歯と歯ぐきの隙間に歯ブラシの毛先を入れ込むような形で歯1本ずつを細かく振動させます。
歯と歯ぐきの間のプラーク(歯垢)を取り、歯ぐきをマッサージするように磨きます。
歯磨き後のうがいは、フッ素の効果を保つため、1~2回だけで終わらすのがコツです。
歯磨き粉の味が残るぐらいで問題ありません。
次回は「自宅でできる予防法」の最終回となります。
フロスやデンタルリンスについてご説明する予定です。
更新は2016年4月1日を予定しています。