80歳で20本以上の歯を残すために②-1
連載②-1:自宅でできる予防法(歯ブラシについて)
第2回目「自宅でできる予防法」についてご説明いたします。
当初予定していたものよりも情報が盛り沢山となってしまいましたので、「自宅でできる予防法」は3回に分けてご紹介していきたいと思います。
「自宅でできる“唯一”の予防法」、それは皆さんが毎日行っている「歯磨き」です。
健康な歯を維持するために正しい歯磨きを身につけましょう。
最新の虫歯予防について
硬い歯ブラシで強い力を込めて、ゴシゴシと歯を磨いていませんか?
力を込めて歯磨きをするときれいにできているような気がする方もおられるようで、なかには歯ぐきから“血が出る”までやらないと磨いた気がしないという方まで・・・。
長期間、強い力で磨き続けてしまいますと、歯のエナメル質が傷つき知覚過敏や、歯ぐきを痛める原因になります。
今回は、歯ブラシの選び方から歯磨きのポイント、デンタルリンスの役割までの流れをご紹介したいと思います。
自分に合った歯ブラシの選び方
自分に合わない歯ブラシによる歯磨きを続けてしまったがために、かえって歯や歯ぐき悪影響が出てしまう、そのようなケースも少なくありません。
せっかく虫歯に気をつけて、歯磨きをしているのにそれでは元も子もありません。
目的別に好ましい歯ブラシをご紹介していきたいと思います。
- 虫歯予防・虫歯でお悩み中の方に適した歯ブラシ
虫歯予防や、虫歯治療中の方は、プラーク(歯垢)をきちんと除去することが最も重要です。プラーク(歯垢)除去には以下のような歯ブラシが適しています。- 毛の硬さ:ふつう
※硬過ぎるものは歯ぐきやエナメル質を痛め、柔らかく細すぎるものはプラーク(歯垢)をしっかりと落とせません。 - ブラシサイズ:小さめ
※虫歯になりやすい奥歯に届くヘッドの小さい歯ブラシがおすすめです。 - 毛先の形状:まっすぐ
※山型や毛先が細くなっているものは、細かいところまで磨けそうに見えますが、実際は歯と歯の間にフィットさせにくく、磨き残しの原因に繋がります。 - 柄の形状:まっすぐ
※まっすぐシンプルなものが持ちやすいのでおすすめです。
- 毛の硬さ:ふつう
- 歯周病の予防や改善のための歯ブラシ
- 毛の硬さ:やわらかめ
※歯ぐきの腫れや出血、根元が出ていてしみたり痛みがある場合は、やわらかい歯ブラシを使用してください。 - 毛先の形状:細め
※歯周病の人は歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)が広くなっていてプラーク(歯垢)が溜まりやすい状態なので、毛先は細めのものが適しています。
- 毛の硬さ:やわらかめ
- 手磨きに自信がないという方には電動歯ブラシ
電動歯ブラシは大きく分けると3種類あります。
電動歯ブラシが効果的ですが、安価な電動歯ブラシはおすすめできません。
必ず信頼性の高いメーカーの商品をご購入し、ご使用の際は、商品取扱説明書をお読みください。
ご不明な点がございましたら、当院にご相談ください。- 電動歯ブラシ
ブラシの振動でプラーク(歯垢)を除去する歯ブラシです。 - 音波歯ブラシ
ヘッドから音波が発生し、高速の水流を作り、やや深い部分のプラーク(歯垢)まで除去するので細菌を破壊することも期待できます。 - 超音波歯ブラシ
ヘッドから超音波が発生し、他の電動歯ブラシ・手磨きでは除去できない粘度の高い細菌まできれいに除去するので、歯周病の改善にも繋がります。
超音波電動歯ブラシは最もプラーク(歯垢)除去率の高く自宅での口腔ケアに最適です。
- 電動歯ブラシ
次回は「虫歯を予防するための歯磨き粉の選び方」からご紹介いたします。
更新予定日は2016年3月25日を予定しております。