80歳で20本以上の歯を残すために③-1
連載③-1:歯科医院でできる予防法
歯とお口の健康を積極的に守るためには、前回までにご説明いたしました「自宅で毎日できる予防法(セルフケア)」と、「歯科医院で行う予防法(プロケア)」の二つをバランスよく組み合わせることが重要です。
第3回目は「歯科医院でできる予防法-唾液量検査」についてご説明いたします。
ご自分の唾液の量をご存知ですか?
患者さまご自身は、普通だと思っていても調べてみると、「唾液の分泌量が少なかった」ということも珍しくありません。
唾液の中には、抗菌作用と歯の再石灰化を助けるという重要な働きがあります。
自分の唾液量を測定して知ることは、虫歯予防の効果的な対策をとるために必須といっても過言ではありません。
- 唾液量検査について
検査はカンタン・短時間ででき、もちろん痛みはありません!
手順は以下の通りです。- 唾液の量を調べます
5分間ガムを噛んで唾液がどのくらい出るか調べます。 - 唾液の中和力を調べます
唾液を試験紙に1滴垂らし、5分後に何色になっているかを調べます。
私たちのお口の中は通常、中性ですが飲食をすると酸性へと変化します。
酸性の状態では歯が溶けやすく虫歯になりやすくなります。
お口の中を中性の状態に戻す力のことを、唾液の力“中和力”といい、酸性の状態から、どれくらいの時間で中性に戻るのかを調べることができます。 - 虫歯菌の数を調べます
歯垢を採取し、ミュータンス菌(虫歯を作る菌)とラクトバチラス菌(虫歯を進行させる菌)の数を調べます。 - 患者さまに最も適した予防法のご提案
原因が違えば、予防法もそれぞれ異なります。
検査結果を基に、患者さまのお口の特徴を把握し、歯を保つためのアドバイスをいたします。
また、唾液量検査によりドライマウスについても把握することができます。
当院長はドライマウス認定医ですので、虫歯予防だけでなくドライマウスについてもご相談いただけます。
- 唾液の量を調べます
- 費用について
自費診療:3,500円(税別)
唾液量検査は自費診療となりますが、虫歯ができるたびに治療するよりも1回の唾液検査でしっかりとした虫歯予防対策をとることができますので、費用のトータルとしては抑えることができます。
次回も引き続き、歯科医院でできる予防法についてご紹介いたします。
更新は2016年5月6日を予定しております。